日本一 Japan The Best London

ホーム  /  記事  /  海外進出支援

海外進出支援の選び方 — 依頼先には四種類あります

「海外進出支援」を掲げる事業者は数多くありますが、実際にできることは大きく四種類に分かれ、それぞれ得意な工程が違います。同じ看板でも、戦略の絵を描く会社と、現地で荷物を通関させる会社はまったくの別物です。何を頼むべきかを、工程から逆算して整理します。

四種類の依頼先

一.戦略コンサルティング

できること:市場の全体像整理、参入シナリオの比較、事業計画の作成、社内合意形成の材料づくり。

できないこと:現地での実行。多くの場合、提案書の納品で契約が終わります。

社内に「なぜ海外なのか」を説明する必要がある段階では有効です。逆に、進出そのものは決まっていて実務を進めたい段階では、費用に対して得られるものが少なくなります。

二.市場調査会社

できること:統計とレポートによる市場理解(デスクリサーチ)、対象者を集めた一次調査。

できないこと:実行と交渉。

大手の調査会社は精度が高い一方、最低受注金額が高く設定されていることが多く、「一商品のパッケージ評価だけ」といった小さな依頼は受けにくい傾向があります。規模の合う依頼先を選ぶことが重要です。

三.現地の実行パートナー(個人・小規模事業者)

できること:展示会の下見と当日運営、通訳、アポイント取得、現地業者との交渉、商品テストの実施、輸送と通関の手配。

できないこと:大規模な定量調査、多国同時展開。

「調べて終わり」にならないのが最大の利点です。窓口が一つで、実際に手を動かす人間と直接やりとりできます。規模の大きい案件には向きませんが、中小企業の初期の海外展開では最も現実的な選択肢になることが多い区分です。

四.公的機関(JETRO、自治体、商工会議所など)

できること:基礎情報の提供、専門家への相談、展示会出展の支援、補助金の情報提供。多くが無料または低額です。

できないこと:個社の商品に特化した深い実務。

最初に相談すべき先です。費用がかからず、情報の質が高く、後の判断の土台になります。ここを飛ばして民間に発注するのは、多くの場合もったいない進め方です。

工程別に見た、頼むべき先

工程適した依頼先
そもそも海外に出るべきか公的機関 → 戦略コンサル
どの国から始めるか公的機関、調査会社(デスクリサーチ)
自社商品が受け入れられるか調査会社、現地パートナー(一次調査)
いくらで売るべきか現地パートナー(棚調査+価格受容性調査)
規制対応専門コンサル、公的機関の専門家相談
販路開拓・展示会現地パートナー、公的機関の出展支援
実行・運営現地パートナー

選定時に必ず聞くべき五つの質問

  1. 「実際に担当されるのはどなたですか」 — 提案時の担当者と実務担当者が別人であることは珍しくありません
  2. 「その方は現地に住んでいますか」 — 現地在住かどうかで、できることの範囲が変わります
  3. 「同じカテゴリーの実績はありますか」 — 食品と機械では必要な知識がまったく違います
  4. 「実費は見積りに含まれていますか」 — 謝礼、発送費、会場費、渡航費が後から積み上がる見積りは多くあります
  5. 「うまくいかなかった案件の話を聞かせてください」 — 最も情報量の多い質問です。答えられない相手は経験が浅いか、正直でないかのどちらかです

費用感の目安

公的機関の相談は無料または低額。デスクリサーチは数十万円規模から。一次調査は形式と規模で大きく変わり、画像だけのコンセプト評価が最も安く、現物発送を伴う複数週の調査や座談会が高くなります。実行支援は日当または案件単位が一般的です。

比較の際は、金額そのものより「何が含まれていないか」を確認してください。

調査と実行、両方をロンドンから

当サイトは英国の生活者を対象とした商品テスト・座談会調査・コンセプト評価を、渡航不要・日本語レポートで承っています。展示会の実行支援や視察コーディネートは姉妹サイト Japan Business Insider が担当し、いずれも同じ担当者が日本語で対応します。

サービスの詳細を見る →  ·  相談する

よくある質問

この記事に関して実際によくいただく質問です。

海外進出支援はどこに相談すればよいですか?

まずJETROや自治体、商工会議所などの公的機関に相談することをおすすめします。無料または低額で情報の質が高く、後の判断の土台になります。そのうえで、深い実務が必要になった段階で民間の調査会社や現地の実行パートナーを検討するのが、費用面でも合理的な順序です。

海外進出コンサルと現地パートナーはどう違いますか?

コンサルティングは市場整理、参入シナリオの比較、事業計画の作成が中心で、多くは提案書の納品で契約が終わります。現地の実行パートナーは展示会の運営、通訳、アポイント取得、商品テストの実施など現地での実務を担います。戦略が必要なのか実行が必要なのかで、選ぶ先が変わります。

海外進出支援を選ぶときに何を確認すべきですか?

実際に担当する人が誰か、その人が現地に住んでいるか、同じ商品カテゴリーの実績があるか、見積りに実費が含まれているか、そしてうまくいかなかった案件について話せるか。最後の質問が最も情報量が多く、答えられない相手は経験が浅いか正直でないかのどちらかです。

中小企業でも海外進出支援を受けられますか?

受けられます。ただし大手の調査会社やコンサルティング会社は最低受注金額が高く設定されていることが多いため、小規模な依頼は個人や小規模事業者の現地パートナーのほうが現実的です。公的機関の支援制度も中小企業を主な対象としています。

見積りを比較するときの注意点はありますか?

金額そのものより、何が含まれていないかを確認してください。対象者への謝礼、商品の国際発送費、会場費、渡航費、通訳費といった実費が別途になっている見積りは珍しくありません。安く見える見積りが、実費を加えると最も高くなることがあります。